梁や天井、床など、杉に囲まれた空間へ左官の手仕事が重なっていきます。内壁には、土の粘土や渇きを感じるやわらかな茶色の塗り壁を。玄関の土間には、水をやさしくあてながら仕上げる玉砂利の洗い出し。木、土、石。自然から生まれた素材が、少しずつ住まいの表情を整えていきます。左官の仕事は、ただ壁を塗ることではありません。その日の気温や湿度を感じ、乾き具合を見極めながら、壁ごとに力加減やコテの動きを変えていきます。目には見えないわずかな違いを受け止め、素材と向き合う時間。その積み重ねが、空間の心地よさへとつながっていきます。
私たちもまた、住まいづくりに向き合うとき、まず人に心を向けます。
単なる注文住宅として、素材を組み合わせるフルオーダーではありません。
「こうしたい」というご要望に、うわべだけで応えるなら、それはカタログから素材を選び、組み合わせていくことと大きくは変わりません。
私たちが耳を傾けるのは、その言葉の奥にある想いです。
なぜそう思うようになったのか。どんな暮らしを重ねてきたのか。これからどんな時間を育てていきたいのか。
人を知り、暮らしを知り、その土地の風景に目を向ける。
そこからはじめて、素材も、間取りも、居場所も、自然とひとつのかたちになっていきます。
注文住宅とは、自由に素材を選べることではなく、人を思いやることから生まれるもの。
その積み重ねが、住み始めてからも心地よさを育て続ける住まいになると私たちは考えています。
本日も想建中です。