それぞれの空間の輪郭が少しずつ見えはじめ、素材の表情にも、この家らしさが現れてきました。
内部では、「葉枯らし乾燥」を施した杉材が並びます。
時間をかけて自然乾燥された杉は、人工乾燥材とはまた違い、ほどよく潤いを残しながら、やわらかな艶と木本来の香りを空間に与えてくれます。
廊下や吹き抜けでは、縦に伸びる杉板と高窓からの光によって、どこか蔵のような落ち着きと、包まれるような静けさも感じられます。浴室では、フォークリートを用いた仕上げが進行中です。
何層にも塗り重ねながら、少しずつ整えられていく壁面。漆喰のような柔らかさを持ちながらも、無機質すぎない質感が、吉木の家ならではの浴室空間をつくり上げています。
外観では、杉板を一枚ずつ“編む”ように張り進めています。
山隈の家と同じく、シン・注文住宅らしい構成を持ちながらも、吉木の家では少し幅広の杉板を用いることで、より重厚感のある印象に整えていきます。
丸太梁や深い軒とも呼応しながら、素材そのものの力強さが、住まい全体の表情として現れてきました。
周囲では、田植え前の水田に水が入り、カエルの鳴き声も賑やかになってきました。
土を整え、水を張り、苗を植えていくように、住まいもまた、これからの暮らしを支える土台を丁寧に整えていきます。
素材を磨き、空間を深めながら、本日も想建中です。