山隈の家。外壁の表情が、少しずつ整ってきました。水平に伸びる屋根と、すっきりとした住まいの輪郭。その静かな佇まいの中に、山隈の家らしい素材の厚みを重ねていきます。
今回、外壁には細幅の杉材を一定の間隔で並べながら、“編む”ように張り進めています。杉板をただ貼るのではなく、光や風、影の抜けまで考えながら、外壁そのものに余白をつくっていく施工です。
下地には特殊な透湿防水シートを使用し、住まいが呼吸できる構成に。木と壁のあいだを空気が流れ、湿気や熱を溜め込まず、素材そのものの心地よさを保っていきます。
外壁の杉には、木の質感を損なわないようウッドロングエコを施しました。
塗膜で覆うのではなく、時間とともに風景へ馴染んでいく表情。雨や陽射しを受けながら、少しずつ深まる経年変化も、この住まいの景色になっていきます。
木の印象が重たくなりすぎないよう、軒天は白く静かに整え、土間も過度に仕上げ込まず、素材同士の引き算で全体の均衡を保っています。
必要以上に飾らないこと。余計な素材や施工を増やさず、住まいに本当に必要な部分だけを残していくこと。
見えやすい派手さではなく、長く暮らす中で感じる心地よさを、丁寧に積み重ねています。
当たり前のように見える納まりも、自由設計の中で培ってきた経験や試行錯誤の積み重ね。
新しい素材を増やすのではなく、住まいの本質を見つめ直しながら、山隈の家らしい暮らしの形を、本日も編み出しています。