山家の家。出会いから五年。昨年十月より始まった住まいづくりも、季節をまたぎながら、無事にお引き渡しの日を迎えました。山々の風景が広がる土地に、深い軒と低く構えた平屋。外の景色を静かに受け止めながら、この場所の暮らしに馴染む住まいとなりました。打ち合わせを重ねる中で見えてきた、山家の家らしさ。派手に飾るのではなく、素材や納まり、余白のあり方まで、一つひとつ丁寧に整えていきました。
リビングと和室をつなぐのは、細身の造作障子。閉じた時も軽やかで、光や気配をやわらかく通してくれます。障子を開ければ、畳の貼り方や収納の引き手など、さりげない細部が空間の表情をつくり、和室がただの一室ではなく、暮らしの居場所として息づいています。
杉の床や天井、漆喰の壁、和紙、真鍮。自然素材ならではの揺らぎに、朝の光や夕暮れの影が重なり、時間とともに住まいの景色を深めていきます。詰め込みすぎず、削ぎ落としながら整えていくこと。思考と施工、その両方を磨きながら、山家のご家族にとって心地よい暮らしの形へ導いていきました。これから先、四季の移ろいや家族の時間とともに、この住まいも少しずつ育っていきます。
その日々に寄り添い続けられることを愉しみに、本日も想建中です。