筑前町三並の家、土壁や、造作がすすんでおります。三並の家では外壁を土壁にし、玄関の軒を大きく出しています。落ちついた造りや色の中に、少しづつ三並の家らしさを取り入れています。まず土壁をしっかりと均一に美しく魅せるために、下地の木貼りを丁寧に仕上げていきます。化粧と同じように下地の良し悪しで、上に塗る素材のノリが変わります。塗らずとも家本来の美しさをしっかり活かします。
大きく出した軒天の木も、おさまりや板目のバランスを見て、しっかり隙間なく繋いでいきます。外壁が土壁のため、木との対比が生まれ軒天の木が非常に際立ちます。どちらも相乗して家のつくりを魅せるため、手間をかけてしっかりと造りこんでいきます。土壁、軒天どちらもしっかり想いがのって求めていた造りにまた一歩近づきました。
また、少しずつも外だけでなく、中も暮らしを膨らませるニッチができてきました。ニッチとは、フランス語で「壁の窪み」や「小さな部屋」を意味します。ただ、なんとなく造るのではなく、一つの部屋と思い、どうあるべきか考え創造します。常に暮らしともに、四季の移ろいが愉しめる空間に仕上げました。これからご家族でこの小さな部屋を眺めて生まれる会話を愉しみにしながら本日も想建中。