栄田の家。
これまでの暮らしを支えてきた束石や、柱、梁などがあらわになり、住まいが重ねてきた時間が見えてきました。
ひとつひとつを眺めていると、この住まいを建てた当時の大工たちがどのように家を組み、どのような想いを込めたのかを感じます。
この地で家族が健やかに、長く暮らし続けていけるように。
そんな願いもまた、住まいとともに受け継がれてきたのかもしれません。
その想いを大切にしながら、これまで栄田の家が培ってきた暮らしを、これからのご家族により寄り添うかたちへと整えていきます。
住まいには、資産や財産としての価値もあります。
将来のことを考え、広く求められる間取りや仕様を選ぶこともひとつの考え方です。
一方で、日々を過ごすご家族にとっての価値は、それだけでは測れないものだと考えています。
誰と、どのように過ごすのか。どんな広さが心地よく、どんな光や風景に気持ちが安らぐのか。
一人ひとりの暮らしに目を向けることで、その家族にとって大切なものが少しずつ見えてきます。
それはリノベーションでも同じです。
古い柱や梁を残し、昔の姿へ戻すことだけが住まいを受け継ぐことではありません。
これまでの時間を大切にしながら、残すものと、変えていくものを見極め、これからの暮らしに馴染ませていく。
栄田の家も、ここで過ごすご家族の毎日を想いながら、ひとつずつ組み立てています。
室内では、過ごしやすい空間の広がりを意識しながら天井をつくっていきます。
ただ梁を見せ、大きな空間にするのではなく、高さや広がりのバランスを考え、身体に馴染む心地よさを整えていきます。
外観もまた、元ある住まいの佇まいを大切に。
サッシひとつを選ぶときにも、新しさや性能だけで決めるのではなく、軒天や既存のサッシとのバランスを見ながら、住まい全体が歪にならないよう整えていきます。
古いから残すのでも、新しいから取り替えるのでもなく。
これまでの暮らしと、これからの暮らし。
その間に立ちながら、ご家族にとっての住まいの価値を考える。
本日も想建中です。