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原口想建の施工実績

【2年連続受賞】石場建てと土壁仕上げの和モダンな家

2018/10/26 

土壁と石場建ての和モダンな外観

施主様のご希望・条件

古いもの歴史のあるものは好きだが、よくある「いかにもアンティーク風」な安っぽさは好きではない。
あまり仕切られていない、空間を広く使う間作りをご希望
玄関土間ではお子様のお友達が皆でくつろいで話せるような「室内と外との中間」としての機能を持たせたい。


奥様の生花の腕が映える、魅せる玄関

料亭のような趣のある玄関土間。お子様のお友達が座ってくつろげるオープンスペース。

木材の表情とこだわりの土壁のリビング

リビングテーブルは大木から切り出した一点ものの造作家具

シンプルな機能性をもつリビング

背面のオープンシェルフもオリジナルで創作。ニュアンスのある黒壁は調度品を引き立てます。

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ウッドワン空間デザインコンテスト【2年連続受賞】

◯コンテストへの想い

昨年は最優秀賞を頂いた「ウッドワン空間デザインコンテスト」。続けての出場ということでハードルの高さは当然ありました。
原口想建では、現在、熊本地震の被害から注目されている「石場建て」という耐震効果の高い建築工法の普及に力を入れております。
石場建てはお寺などに多く使用されている、昔ながらの日本家屋の建て方です。
耐震や家のメンテナンスに関してとても良い利点が沢山あるのですが、どうしても外見はガチガチの日本家屋のイメージに仕上がるケースが多く見られます。
原口想建では、「石場建てでも古臭くない、これから先何十年も住まう家としてずっと住心地の良い住まいのデザイン」をどんどん提案して、 新しいカタチの石場建てスタイルを確立していきたいと考えています。
今回のコンテストには、そうした熱い想いを持って取り組ませて頂きました。

◯受賞について

昨年に引き続き、優秀賞を頂くことができました。
「新築にも関わらず非常に重厚感のあるどっしりとした、非常に個性豊かな家」との講評も頂き、大変な苦労をしながら仕上げた経緯もある分、施主様とスタッフ一同と共に大変うれしく誇らしく想います。

◯今後の抱負

まだまだメジャーではない【石場建て】という建築工法の素晴らしさを世に広めていきたいという熱い想いに理解を示してくださった施主様に感謝すると共に、
連続受賞という快挙をしっかりと受け止め、よりいっそう「原口想建の家づくり」というものを確立していきたいと思います。

    woodone空間コンテスト2018受賞レポートページへ

施工について

こだわりのある施主様ご夫婦が求めるイメージは、和風・洋風・ログハウス風など市場にあふれる既存のテイストではカバーできない深さがありました。
見本になりそうなサンプルを探しても見つからず、何度もヒアリングを重ね、イメージの欠片をあつめて新しく作り出す、そうした作業のもとデザインを決めていきました。

建築にあたっての工法を決めたのは、熊本地震の後でした。
地震に強い家というテーマに、施主様と共に改めて向き合った際、熊本地震で倒壊しなかった家屋の中に「石場建ての家」が多くあったことから採用となりました。

一見すると雰囲気の良い喫茶所のような印象の玄関は、ご近所の方にお店と間違われ開店を待たれてしまったほど。大きな開き戸は木製の造作扉で、開放感とインパクトに満ちています。
花屋にお勤めの奥様のセンスを存分に生かして頂けるよう、鉢物を置いたとき映える空間づくりを心がけました。

一方で、お二人のお子様のお友達が、気軽に集まって座って話せるオープンスペースとしての役割も持たせています。思わず立ち寄りたくなるような温かみがある玄関土間です。
オープン型のシューズクロークは家の雰囲気に合わせた造作です。

玄関の表情を整えている白壁は、だいぶ色を悩みました。最初グレーを塗ってみたのですが違和感があり中止。白に変更することが決定したものの、天井や床材と喧嘩しない「具合の良い白」に仕上げるべく、試行錯誤を重ねました。

外観の壁はすべて土です。綺麗すぎない趣きを残した荒壁仕上げとしました。
防水は大丈夫なの?と心配を頂くこともあるのですが、雨がよく掛かるところには防水材を少し混ぜる等、要所に必要な対策をしますので大丈夫です。今回も、左官さんにサンプルを作ってもらい、実際に雨に晒して防水性などをチェック頂き、施主様に納得いただいてから採用しております。

土壁は経年とともに起こるひび割れなども味になります。土ですから種が飛んでくると発芽します。100年ほど経つと、緑に覆われたジブリの家のようになると思います。
土壁は究極、剥がれてしまったらまた盛り直せばよいのでメンテナンスが楽という利点があります。板壁だと業者の手が必要ですが、土壁ならば落ちた土を戻せばよいだけ。
左官としての道を歩み始めたご主人が手厚くメンテをされるご予定です。

こちらのお住まいを建設するタイミングで、施主様であるご主人は大手メーカーを退職され左官職人として新たな人生に踏み出されました。
それだけに家づくりにかける情熱も熱く深く、退職前も日中の会社勤めを終えられた後に、深夜まで壁塗りをご自身の手で行われていました。

メインルームとなるリビングキッチンは、少し薄暗い落ち着く雰囲気の空間に仕上げました。
大きな梁や柱と調和する土壁は、グレーに茶色を混ぜた穏やかなカフェオレ色です。ベースが暗めな分、高窓から朝日が差し込むと部屋全体が非常に美しい表情を見せてくれます。

キッチンの天井は土佐の黒漆喰を使用しています。こちらはコテではなく手で磨いて仕上げる独特の素材です。普通は手の届く範囲に使用するものですが、黒が欲しかったのであえて天井に。
左官さんとご主人も含め、スタッフ総出で頑張りました。

屋根も床材も、高千穂の松の木を切ってもらって施行しています。 ノコの目が見えるようにした、昔ながらの製材方法です。

六角形のモザイク仕上げが特徴的な腰壁は、原口想建オリジナル。丸太をランダムな厚みに輪切りにし、型にあわせて整形。厚みのリズムを考えながら一枚一枚貼り付けています。

キッチン横の大木のような木の壁は、杉の木の皮を貼っています。家の中に木があるように見立てているので、上には大きな枝ぶりを。
この木はご近所の梅の木をゆずってもらい、植木屋さんに切ってもらいました。

市販ではちょっと見かけないほどインパクトのある机と椅子は大工さんの造作です。
テーブルは一本の木材から加工しています。椅子はご近所の解体される家の梁を頂き、スライスして制作しました。

キッチンはWOODONEさんのシリーズです。木目のテイストが周りから浮かず、どっしりとした存在感を見せてくれています。
後ろの棚は造作で、あまり見た目をごちゃごちゃさせたくないという施主様のご要望にあわせ、背の低い仕上がりにしております。

なかなかに特徴的な内装の仕上がりとなりましたので、ポイントとなる家具のセレクトも原口想建にお任せ頂きました。
キッチン上の照明は鹿の角のオブジェを組んで作ってあります。市販品ですが雰囲気にマッチしていますね。