耐震・断熱・気密…性能に妥協しないローコスト住宅の建て方

2022/09/26

ローコスト住宅でも性能を担保できる

ローコスト住宅の明確な定義はありませんが、一般的には坪単価20~50万円、30~40坪で家を建てても1000万円台の費用で済む住宅のことを指します。

ローコストで住宅が建てられる理由は、部材・設備の大量一括購入、設計・施工のシステムの合理化、プラン・デザインを限定した規格型の住宅にするなど、様々な工程でコストダウンを図っているから。性能面のグレードを下げてコストを抑えるといった方法ばかりではないため、これからご紹介する各性能面で見るべきポイントをチェックいただければ、ローコストでも十分な性能を持った家づくりが可能になります。

耐震性

日本は地震が頻繁に起こるため、ローコスト住宅を選択した場合でも耐震性を重要視する方は多いでしょう。

住宅の耐震性を表す指標としては「耐震等級」があります。耐震等級は、「品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)」によって定められており、同じ法律にもとづく住宅性能表示制度の表示項目のひとつ。建物の耐震性能によってランクが3段階に分かれており、数字が大きくなるほど建物の耐震性能が高いことを示しています。

なお、耐震等級1~3級の目安は下記になります。

耐震等級1
  • 建築基準法で定められた最低限の耐震強度で、震度6強から7に相当する、数百年に一度起こる大地震に耐えうる強度を持つ
耐震等級2
  • 耐震等級1の1.25倍の耐震強度
耐震等級3
  • 耐震等級1の1.5倍の耐震強度

また、耐震性において耐震等級と同じくらい重要なのは住宅の構造。構造は家の建て方である工法によって変わりますが、地震に強い工法として近年多く用いられているのは「ツーバイフォー工法」「ツーバイシックス工法」の2つです。

「ツーバイフォー工法」は、日本語の正式名称では「枠組み壁工法」と呼ばれており、約2インチ×4インチの角材が基本構造に用いられることがツーバイフォー工法の名前の由来。アメリカの開拓時代に考案された工法で、現在は欧米を中心に世界でも用いられています。

特徴的なのは、角材と合板をあわせて四角形をつくり、面で家を支える構造であること。これにより、地震などの力をバランスよく分散できます。

日本では長く木造軸組み工法(梁や柱で家を支える構造)が主流でしたが、職人の技術力が求められるという難点がありました。一方「ツーバイフォー工法」はシンプルな構造で、建てるときに高度な技術がいらないといった点も普及している理由です。

「ツーバイシックス工法」は、ツーバイフォー工法より大きいサイズの構造材を使う工法で、外壁の厚さが1.5倍ほどになり、さらに強度が上がります。耐震性能はもちろん、断熱性能・遮音性も高めることが可能です。

断熱性・気密性

断熱性は、家の中への外部の気温の伝わりにくさのこと。内壁と外壁に断熱材を入れる・遮熱性のある窓ガラスを使用するといった方法で断熱性を高められます。

気密性は、家の中と外の空気の出入りの少なさの指標のこと。防湿シート・気密テープなどを使用して隙間をなくし、より密閉されている状態の住宅は気密性が高くなります。

断熱性・気密性が高いと外からの空気の出入りや熱の伝わりが少なくなるため、外気温の影響を受けず温度を一定に保つことができます。冷暖房効率アップによる省エネ効果・ヒートショック予防などのメリットがあり、隙間が少ないことで遮音性能も高まります。デメリットは、コストがかかる点や適切な換気性能が伴わないと空気がこもってしまう点。換気がうまくできていないと臭いがこもったり、結露やシックハウス症候群のリスクを高めてしまったりする場合もあります。

断熱性・気密性の基準となるのは、「UA値・C値・Q値」「断熱等性能等級」などです。

「UA値・C値・Q値」のUA値は、どれくらい熱量が住宅の外に逃げやすいのかを示し、各部の熱損失量の合計÷延べ外皮面積で計算できます。また、C値は住宅にどれくらい隙間があるのかを示しており、住宅全体の隙間の合計面積÷延べ床面積という計算で求めます。最後にQ値はどれくらい熱が逃げにくいのかを示し、(各部の熱損失量の合計 + 換気による熱損失量の合計)÷ 延べ床面積で算出する値です。「UA値・C値・Q値」の数値は数字が小さいほど性能が優れています。

「断熱等性能等級」は耐震等級と同じく品確法にもとづく住宅性能表示制度の項目のひとつで、上記で紹介したUA値を用いて5段階で評価(2022年9月現在)されます。とはいえ、いまや等級4が最低限必要な性能とされ、2022年10月には断熱等性能等級6,7が新設予定となっています。

断熱性を高める際に見るべきポイントとしては、使用する断熱材と断熱工法の2つがあります。

断熱材の種類

断熱材とは、住宅の外皮である屋根・壁・床・窓を取り囲み、住宅の内外における熱のやり取りを遮断してくれる材料のことで、下記のように様々な種類があります。

繊維系断熱材

ガラスを繊維状にし、繊維の隙間に空気を閉じ込めた断熱材で、「無機質系断熱材」「木質繊維系断熱材」に分かれます。無機質系断熱材の「グラスウール」が代表的なもので、素材がガラス繊維のためシロアリなどの害虫被害・火災に強く、防音効果もあり、また長く使用してもほとんど劣化しないため、断熱性能も長続きします。

発泡プラスチック系断熱材

プラスチックを発泡させ、細かい気泡の中に空気を閉じ込めた断熱材で、主要なものとして「フェノールフォーム」があります。フェノール樹脂を使った断熱材は耐火性・耐熱性に優れ、炎をあてても有毒ガスがほとんど出ないため、不燃・準不燃材料の認定を受けています。

天然素材系断熱

無添加で自然素材を利用している断熱材のこと。ウッドファイバーや羊毛、炭化コルクなどがあり、素材自体が吸湿・放湿する点が特徴です。高い調湿性がありエコな断熱材ではありますが、結露を防ぐために防湿シートもあわせて使用する必要があるなど、コストがかかる傾向があります。

断熱工法の種類

断熱工法については、大きく「充填断熱工法」と「外張り断熱工法」に分けられます。

充填断熱工法

柱などの構造材との間にボード状・シート状の断熱材や粒状の断熱材を入れる工法で、木造住宅において広く採用されています。メリットとしては、壁の内側の空間を利用するため厚みのある断熱材を入れることができる、比較的低コストで施工できるといった点があります。

外張り断熱工法

ボード状の断熱材を柱などの構造材の外側に張り付けていき、住宅全体を覆う工法で、主に発泡プラスチック系断熱材が用いられます。隙間なく断熱材を貼り付けることができる点や、壁内の空間や床下等を有効活用できるというメリットがあります。

換気性

換気性は、室内の汚れた空気と外の新鮮できれいな空気を入れ替える方法によって異なってきます。換気が悪い家では快適性が損なわれるだけでなく、シックハウス症候群など健康に悪影響を及ぼす可能性も。そのため、2003年からは24時間換気システムの設置が義務化されました。この24時間換気システムは、換気方式によって第一種~第3種に分類されます。

第1種換気

給気も排気も機械で強制的にする仕組みで、空気の出入りを機械でコントロールするため換気量を適切に調整しやすい方式です。出ていく空気の熱を入ってくる空気に移すことができる「熱交換器」の取り付けも可能で、常時換気をしても室内の温度を維持しやすいという点がメリット。一方で設備費用が高くなるデメリットがあります。

第2種換気

給気は機械で強制的に行い、排気は自然に行う仕組みで、きれいな空気を取り込みやすくなります。一方で外気の影響を受けやすく、外気温によって空調効率が落ちたり、湿気を取り入れてしまって結露の原因になったりするため、現在の住宅ではほとんど使われることはありません。

第3種換気

自然に吸気を行い、機械で排気をする仕組みとなり、現在主に採用されているのがこの方式です。メリットとしては、第一種に比べて簡単な設備なので設置費を抑えられる点。換気の際に室内の気温を維持しにくいことがデメリットです。

住宅性能表示制度を活用する

様々な性能の指標をご紹介しましたが、もっとわかりやすく家の性能を判断するには「住宅性能表示制度」による家の性能評価をチェックしてみましょう。

住宅性能表示制度は、住宅の品質について第三者である専門家の住宅性能評価機関が一定の基準に沿って評価する制度で、その結果を消費者にも分かりやすい「等級」などで示してくれます。住宅性能評価書がある住宅は、一定基準の性能を満たしている住宅としてお墨付きを得ているということです。

また長く住み続けられる家かどうかを評価する制度として、「長期優良住宅制度」という制度もあります。住宅性能表示制度と似たような評価基準ですが、耐震等級2以上や劣化対策等級3以上、断熱等性能等級4以上などの認定基準があるため、長期優良住宅として認められていれば、一定の性能を有している住宅であると判断が可能です。

これらの評価をしっかり受けている住宅は、住宅ローン減税などの税制優遇や地震保険などの割引なども受けられるメリットもあります。

性能重視なら防火構造にも着目

さらに性能を重視するなら防火構造も重要。「省令準耐火構造」かどうかにも着目するとよいでしょう。

省令準耐火構造は、建築基準法で定める準耐火構造に準ずる防火性能を持つ構造として住宅金融支援機構が定める基準に適合する住宅を指します。省令準耐火構造にすると外部からも内部からも燃えにくくなり、いざ火災が発生した際に避難する時間を確保できます。

省令準耐火構造にすることで費用もプラスで必要になりますが、その分、継続的なコストとなる火災保険料や地震保険料を安くすることが可能です。家の性能を重視してチェックをする場合には、この耐火構造についても見てみるとよいでしょう。

フルオーダー住宅の性能をローコストで実現する規格住宅とは

住宅を建てる際は余分な費用はできる限り抑えたいものの、費用にこだわりすぎたために快適に暮らせなくなっては本末転倒。ローコストの規格住宅でも、今回紹介した一定の基準・性能などを満たしているかをチェックすることは重要です。

福岡の工務店・原口想建では、余分な工数と予算を徹底的にカットしてコストを抑えつつ高品質な規格住宅を展開中。完全注文住宅と同程度の性能を持ちながら、コストを2割~2.5割も抑えられる規格住宅「レディ・メイド」を創り上げました。もちろん、コストをかけてとにかく高性能な家にしたい場合は、フルオーダーの注文住宅という選択肢もご用意しています。

住宅というのは人生において最も高い買物になるため、購入するにあたって多くの方は悩んでしまうはずです。

そのような方は、簡単な質問に答えていくだけで自分自身が規格住宅・注文住宅のどちらに向いているか診断できる、YesNo-Chartをお気軽に試していただき、どちらが合っているのか、ぜひチェックしてみてください。

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