規格住宅の耐震性って実際どうなんですか?

2022/06/24

規格住宅って地震に強いの?

低価格な規格住宅、耐震性は大丈夫?

ローコストな家づくりをしたいと考えていても、安価な理由が分からないと不安になるもの。いくら安くても、安心して暮らせない家では意味がありません。

一般的に規格住宅はあらかじめ品質・形状・寸法が決まっているため、資材の大量購入が可能になり、それが建築コストの削減に繋がっています。資材の加工について同じものを大量に行えるため、加工の手間と時間を減らすことができ、人件費の削減に繋がるのです。

また、間取りをシンプルにする、施工方法を工夫する、広告費を削減する…といった工夫でローコストな家づくりを実現させているハウスメーカーや工務店もあります。良いものを安く提供しようという企業努力の結果、規格住宅を安く提供できていると言えるでしょう。

このように良心的な価格帯であることが多い規格住宅ですが、専門家が設計し、耐震構造も担保されています。そのため、ローコストであっても住まいに必要な耐震性は担保されていると考えてよいでしょう。

震度7の地震にも耐えられる住宅とは?

建築物の設計において、地震に耐えることができるかどうかを判断する基準の1つに、「新耐震基準」というものがあります。1981年6月に旧耐震基準から改正されたもので、この新耐震基準を満たしていれば、震度6強~震度7の地震でも倒壊を免れるとされていました。

ところが先の熊本地震において、新耐震基準を満たした建築物も倒壊してしまいました。実は、新耐震基準において震度7は「極めて稀に発生する地震(数百年に一度)」とされており、熊本地震のような大きな地震は想定されていなかったのです。

そんな中、地震への備えを高めるために着目されているのが「耐震等級」です。熊本地震において、耐震等級3の基準を満たした建築物は倒壊数0でした。耐震性の高い家を建てるのであれば、耐震等級3を満たした設計にする、というのが新たな常識になりそうです。

規格住宅は、最低でも耐震等級2の基準をクリアしているものがほとんど。オプションで耐震性能を上げることもできるため、地震に強い家づくりを実現することができるでしょう。

住宅の「耐震等級」とは?

そもそも耐震等級とは?

「耐震等級」とは地震に強い建築物であることを示す目安の1つで、2000年に制定されました。1から3まである等級の高さが耐震性能の高さを示しており、警察署・病院・消防署といった災害時に拠点となるような建物は多くが等級3の基準を満たしています。

耐震基準を満たした建築物は、「耐震等級」でいうと等級1に当たります。耐震基準を満たしている家というのは、地震への備えとしては最低限のレベルと考えてもよいでしょう。地震に強い家づくりをするなら、「耐震等級2以上を満たしているか」に注目することが大切です。

等級ごとの強度

耐震等級の等級ごとに、どれくらいの強度が設定されているのか見てみましょう。

耐震等級1
  • 建築物に最低限備わっているべき耐震性能
  • 震度5 建物の損傷がない
  • 震度6強~震度7 即倒壊や崩壊しない
耐震等級2
  • 耐震等級1の1.25倍の耐震性能
  • 震度6強~震度7 補修すれば住み続けられる
  • 長期優良住宅の設定として必要な耐震性能
耐震等級3
  • 耐震等級1の1.5倍の耐震性能
  • 震度6強~震度7 複数回起こっても建物の損傷がない、軽い補修で住み続けられる

(実際の地震は性質によって被害状況が変化するので、建物の耐震性はあくまで目安として考えられています)

耐震等級2の基準に記載されている「長期優良住宅」とは、長期にわたって良好な状態で住み続けられる住宅を提供するために設けられた基準を満たした住宅のこと。耐震等級だけでなく、劣化対策や省エネルギー性などについて複数の基準が設けられています。長く安全に住み続けられる家を希望するなら、長期優良住宅の基準を意識してみるとよいでしょう。

ほとんどの規格住宅は、住宅会社が培った技術を活かしてプランニングされているため、注文住宅よりローコストでありながらも一定レベル以上の住宅性能を満たしています。規格住宅だから耐震性能が低い、ということはなく、耐震等級2の基準を満たしているプランも多く販売されているのです。

耐震等級に応じて地震保険料の割引も

東日本大震災・熊本地震の被害状況を受けて、耐震等級による地震保険料の割引率や割引制度が増加傾向にあります。
地震保険料の割引率は以下の通りです。

耐震等級1
  • 10%
耐震等級2
  • 30%
耐震等級3
  • 50%

参照:東京海上日動 地震保険「保険料と割引制度」

耐震等級を上げるためには建築コストが上がり、家づくりにかかる費用全体が上がります。しかし、地震保険料が割引になる、補修費用が抑えられるなど、長い目で見ればお得になる点も多数。総合的に判断する必要があるでしょう。

耐震・制震・免震の違いって?

耐震とは?

耐震について調べていると、他にも制震、免震といった言葉が出てきます。いずれも地震に強い建築物を造るための対策ですが、具体的にどんなところに違いがあるのでしょうか。

まず、耐震を簡単に表現すると「地震の揺れに耐える」構造と言えます。建築物の構造を強くすることで、地震で揺れても倒壊しないようにするわけです。

しかし、建物に揺れのエネルギーが伝わるため、揺れによって家具が倒れて怪我をすることはありえます。また、一度の地震では倒壊しなくても、繰り返し揺れることでダメージを受けて倒壊に繋がる可能性もあります。

制震とは?

制震とは、ダンパーやパネルといった制震装置を用いて「地震によるエネルギーを吸収する構造」のこと。高層ビルやタワーマンションによく用いられる構造で、建物の揺れに合わせて制震装置が変形することで、地震のエネルギーを吸収してくれます。

耐震構造は建物を強くする構造であって、建物の揺れ自体を抑えることはできません。一方、制震構造は揺れそのものを抑えるため、建物の中にいる人への影響も抑えることができます。

制震構造は免震構造よりはリーズナブルですが、間取りが制限されたり建築場所の地盤に制限があったりと、建築するにあたって制限がかかります。

免震とは?

免震とは、「地震によるエネルギーを受け流す構造」のこと。建物と地面の間にゴムやボール状の部材を用いた免震装置を設置することで建物が地面から切り離された状態になり、地震の揺れが建物に伝わりにくくなります。大きな地震にも対応できるため、大型病院など、災害時にも機能を維持する必要がある建物に用いられることが多い構造です。

ただ、地面から切り離されている構造ゆえに、台風や津波といった災害に弱いという側面もあります。建築に向いていない立地がある・地下室が造れないといった制約もあり、費用が高額になることも多い構造です。

耐震性の高い家の意外なメリット

耐震性を高めると、地震に強くなるだけでなく断熱効果も高まる、というメリットがあります。

耐震性の高い家は、地震の揺れに耐えられるよう建物をしっかりと固めてあります。しっかりと固定されている家は機密性が高いため、断熱性も高まるというわけです。

断熱性が高まると外気温の影響を受けにくくなるため、電気代の節約に繋がります。建築材の劣化を防ぐこともできるため、耐震性の高さ=断熱性の高さは長く安全・快適な住まいのポイントの1つといえるでしょう。

耐震性の高い規格住宅を建てるには

耐震設備をバランスよく配置する

耐震性能を高めた家づくりにおいて、耐震設備のバランスを考えるのは重要なポイント。耐震性能を高めたいからとやみくもに設置数を増やしても、効果が上がらないこともあります。設置数を増やすより、バランスを考えて最小限にすることで、耐震性能を高めながらも建築コストを抑えることができるのです。

耐力壁を増やす

耐力壁(たいりょくへき/たいりょくかべ)とは、風や地震などの横からの力に耐えるために強化された壁のこと。耐力壁を増やすことで建物の強度を高めることができます。

とはいえ、ただ耐力壁を増やしても意味がありません。バランスが悪いと、地震の揺れで歪んで倒壊に繋がる危険性が出てきます。

ローコストの家づくりという観点からも、ポイントを押さえて設置場所を選ぶことが大切。その点、規格住宅はあらかじめ間取りが決まっているため、必要な場所に耐力壁を設置するような設計になっています。

素材を軽くする

建築素材が重いと、当然ながら家の重量も重くなります。家が重くなると地震の揺れが住宅に伝わりやすくなり、住宅が受けるダメージが大きくなります。耐震性を高めるために設置するはずの耐震設備が、かえって耐震性を落としてしまうこともあるのです。

耐震性を維持するためにも、素材はできるだけ軽いものを選びましょう。

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