「よしきの家」では、住まいの骨格、表情を担う丸太柱、丸太梁の加工が進んでいます。
この丸太は「月齢伐採(新月伐採)」という、古くから伝わる手法で伐り出されています。
寺社建築や歴史的建造物の世界でも語られるこの手法は、長い時間の中で培われた知恵の蓄積でもあります。水分が少ない状態で伐採された木は、狂いが少なく、虫害にも強く、美しい木目を保ちやすいという特性を持ちます。
伐採後は人工乾燥へ進むのではなく、「葉枯らし乾燥」と呼ばれる天然乾燥工程を経ています。枝葉を残したまま山で静かに寝かせることで、木が本来持つ蒸散作用を利用し、内部の水分をゆっくりと抜いていきます。
実際に施主様にも木材が育てられいる八女まで一緒にを出向きご覧いただきました。素材の背景を知ることで、暮らしへの想像はより深まっていきます。
なお吉木の家では、床下エアコンを前提とした基礎が進んでています。
住まいの各部屋に個別のエアコンや空調を設けるのではなく、床下から住まい全体の空気整えていきます。空間を必要以上に分断せず、最小限の設備で最大限の心地よさと、空間を保ちます。限られた空間をどう豊かに変えていくかという視点は、「広さ」ではなく「質」を重視する家づくりへとつながります。
コンパクトな設計の中で、暮らしはむしろ自由度を増していく。そんな住まいのあり方を、基礎という見えない段階から丁寧に組み立てています。
家づくりは、図面ではなく暮らしを設計すること。着実にその歩みを進めていき、見えなくなる工程の一つひとつに、その暮らしの「質」が宿ります。